イングランド、そしてマンチェスター・ユナイテッドでレジェンドと言ってもいいウェイン・ルーニーが2017年シーズン、デビューした古巣エヴァートンに復帰する事が決定しました。
近年イングランド代表でもユナイテッドでも不調を極めていた「キャプテン」の決断にユナイテッドファンからは「今までありがとう、さようなら」と別れの声、エヴァートンのファンからは「おかえり!」という声が挙がっていますね。
※追記 2018年6月 アメリカMLSのDCユナイテッドに移籍が決まりました。
今回はそんなルーニーのプロフィールと経歴、プレースタイルや近年不調だった原因などを見ていきたいと思います。
ウェイン・ルーニーのプロフィールと経歴
リヴァプール出身!エヴァートンでキャリアスタート
名前ーウェイン・マーク・ルーニー(Wayne Mark Rooney)
国籍ーイギリス
出身地ーリヴァプール
生年月日ー1985年10月34日
身長ー178cm
体重ー78kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ルーニーはイングランド北西部のリヴァプール出身。リヴァプールと本拠地を同じくするエヴァートンのファンで、サッカーキャリアもエヴァートンの下部組織からスタートしました。
早くから期待され、エヴァートンのトップチームでデビューしたのはなんと2002年、当時最年少記録となる16歳の時でした。
また同年当時「インビジブルズ」として無敗記録を更新していたアーセナルの連勝を30で止めるゴールも奪っており(こちらも最年少)、アンダー18世代にも関わらずスターダムに躍り出ます。
マンU、イングランドのレジェンド
2004年からはマンチェスター・ユナイテッドに移籍。毎年のように二桁ゴールを奪い、2009ー2010シーズンには26ゴールを決めるなどトップクラスのクラックとして活躍。バロンドール候補にも選ばれています。
これまでにプレミアリーグでは198ゴール、101アシストと紛れもなくレジェンドクラスの成績を記録。
イングランド代表では10番を背負って115試合に出場、53ゴールを挙げています。
しかし後述するように2015年頃から徐々に成績が下降し始め、2017年にはマンチェスター・ユナイテッドに別れを告げ、古巣であるエヴァートンに復帰する事が発表されています。
※ 2018年6月 アメリカMLSのDCユナイテッドに移籍が決定
・リヴァプール出身!エヴァートンでデビュー
・当時のプレミア最年少出場、ゴール記録を樹立
・近年マンUで不振、2017年にエヴァートン復帰
ウェイン・ルーニーのプレースタイルは?
万能アタッカー・ルーニーの凄さ
ルーニーのポジションはトップ下、ストライカー、ウイングと攻撃的なポジションならどこでも一定のクオリティを出せる万能型フォワードと言えます。
若い頃は完全にストライカーといった感じで獰猛にゴールを狙っていくスタイルでしたね。シュートの際のボールコントロール、タッチ技術が非常に高く、ワントラップで最もシュートを打ちやすい位置にボールを置けるテクニックに優れています。
シュートは振りが速くてコンパクト。フリーキックでも相当得点しているように精度も高いです。シュートレンジも広いので上手くトラップされるとその時点で「勝負あり」になってしまうほどゴール前での精度に長けた選手です。
抜群のスピードがあるわけではないですが相手を交わす、避けるようなドリブルは上手く、これもルーニーのゴール前での強さに強く影響しているでしょう。
サッカー脳とパスセンスを活かして近年はボランチでもプレー
また近年はボランチのポジションでプレーする機会も増えているように視野の広さ、長短のパスセンスも優れたものを持っており、あの元バルセロナのシャビやメッシもそのパスセンスを褒めたたえるほどビルドアッププレーが上手い選手でもあります。
特にロングパス、サイドチェンジの精度は元々後ろの選手だったんじゃないか?と思わせるほど精度が高く、通常なら見えないはずの後ろにも振り向きざまに正確なパスを通せます。
効率的に得点を奪えるサッカー脳も発達していて、香川真司選手がマンチェスター・ユナイテッドに移籍したときも、とにかく縦縦の選手が多い中ルーニーだけは香川選手とパス交換で攻めたりしていましたね。サッカー脳とパスの技術は今でもトップクラスの位置にあると思います。
さらにセンターフォワードで起用されている頃から守備もサボらずに行っていたようにチームのために走る勤勉さも持ち合わせている選手です。
プライベートではトイレじゃない場所で放尿したり喫煙したりと問題行動が見られる悪童ですが、ピッチの上ではチームの勝利に徹するプレーを見せる選手だと言えるでしょう。
・若い頃はゴール前で強さを見せるストライカー
・近年はパスセンスを活かしてボランチでプレー
・守備は真面目にやるタイプ
マンUがルーニーを放出した理由は?
加齢、若い頃の不摂生によりキレが低下
そんな素晴らしい才能を持ったルーニーですが、近年は成績があまりよくありませんでした。
体のキレやスピードが一時期より明らかに衰え、以前なら簡単に交わせていたDFを交わせなくなってしまったのです。
上記したようにピッチ上では勤勉なプレーを見せるルーニーですが、若い頃から太りやすい体質のうえピッチ外での節制意識は高くなく、タバコや酒を好むなど体に負担のかかる嗜好品を好んでいたツケがこの年齢になってそろそろ影響し始めたのかなと思います。
それもあって2015年頃から前線ではなくボランチでの出場が増えたのしょう。上記したようにパスセンスは高いですからね。しかし2016年に監督に就任したジョゼ・モウリーニョはルーニーをトップ下かフォワードの選手としてしか見ておらず、ボランチでは起用しませんでした。
確かにモウリーニョ体制下でボランチを務めたのはフェライニやポグバといった高さのある選手で、ルーニーのようなタイプは好みのボランチではないでしょう。
ただ今さら前線で起用されても全盛期のキレがないため苦戦。プレミアでのゴール数もデビュー以来最低となる5ゴールに止まりました。
厳しい状況下で古巣に戻る決断
マンUは2017年もエヴァートンからルカクを獲得するなど(ルーニーの移籍にもたぶんルカクの動向が絡んでいる)補強を積極的に行っているので状況は厳しくなるばかり。出場機会も減る事が予想されますから古巣への復帰は仕方ないことでしょう。
ルカクのプレースタイルはこちらも参考に→ドログバ2世?ベルギー代表ルカクのプレースタイルは?
エヴァートンは2017年シーズン、マイケル・キーンやクラーセンなど若い選手が増え、主力のロス・バークリーもいつ移籍するか分からない状態ですからルーニーの経験や技術はきっと助けになると思います。
願わくばエヴァートンでルーニーのコンディションが持ち直されることを期待しています。まだまだ老け込むような年齢ではないはずですからね。
※追記 エヴァートンでも悪くはなかったですが、アメリカ移籍が決定。MLSなら出場機会は見込めると思います。
・近年体のキレが低下
・モウリーニョはFWとして起用も現状では厳しい
・エヴァートンならルーニーの経験は活きるはず