現在日本代表はヴァヒド・ハリルホジッチ監督の戦術の元、攻守の切り替えが速くボールを奪ってすぐに縦への攻撃に繋げるトランジションサッカーを実践しています。
こういった縦への推進力が高い戦術は流行でもありますし、それはそれでいいのですがその戦術を健気に実行しすぎて淡泊な攻めに終始してしまうこともあります。
こういうとき過去の日本代表には遠藤保仁のように左右に強弱をつけたパスを出せる選手がいましたが、現在の日本代表にそういったゲームメイカーはいない(もしくは選ばれていない)に等しいです。
しかし2017年見事にJリーグ初優勝を果たした川崎フロンターレの大島僚太は華麗な技術とゲームメイクセンスを持ち合わせる期待の選手です。
今回はそんな大島僚太のプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
大島僚太のプロフィール
名前-大島僚太(おおしま りょうた)
出身地ー静岡県静岡市
生年月日ー1993年1月23日
身長ー168cm
体重ー64kg
ポジションーMF
利き足ー右足
大島僚太はサッカーが盛んな静岡県の清水生まれの選手で、高校時代は名門の静岡学園でプレーしていました。
高校時代に大島が一躍注目を集めたのは高校、Jリーグ、JFLのユースチームが一堂に会する高円宮杯全日本ユース選手権でした。
ここで大島が属する静岡学園は名古屋グランパスユースや横浜FマリノスユースといったJリーグの強豪ユースチームを次々と下しベスト4という好成績を残します。
この活躍により注目を浴びた大島僚太は川崎フロンターレのスカウトに目を付けられ、川崎フロンターレの選手としてプロキャリアをスタートさせます。
川崎では初年度こそ出番は少なかったものの2年目に公式戦26試合出場3ゴールという好成績を残すと徐々に出場機会を増やし、2014年頃から川崎の主力の一角としてプレーし始めます。
2016年からは川崎フロンターレ史上初となる日本人で10番を背負い、2017年には悲願のJリーグ制覇に貢献していますね。
また日本代表でも早くから期待され、2016年のリオオリンピックでアシストを記録するなど成績を残しA代表にも選ばれるようになりました。
2017年12月東アジアカップに挑む日本代表にも召集され、海外クラブの選手がいないこともあって「10番」を着用することになりましたね。
・サッカー王国静岡の清水区生まれ
・川崎フロンターレで10番を背負う
・リオ五輪でも大活躍
大島僚太のプレースタイルは?
現在の日本代表では貴重な展開力のあるゲームメイカー
大島僚太の主なポジションはセンターハーフです。下がり目のボランチ的なポジションや上がり目のトップ下的ポジションもこなすことができます。
大島僚太のプレースタイルで特徴的なのは「効果的なパスの散らし」と「マークを剥がして選択肢を作れるテクニック」、「成長した守備」が挙げられます。
大島は現代のハリル日本代表において失われつつある広い視野によってパスをピッチ上に配分し、緩急によってゴールにボールを近づけるセンスに優れるタイプの選手です。
その姿はかつて日本代表であり、現在川崎フロンターレで共にプレーする中村憲剛のプレースタイルと比較する声もあるほどですね。
ボールを持ったらとにかく縦に、というハリル戦術も悪くはないのですがどうしても攻撃が単調になってしまいますし相手も次のプレーを読みやすいです。そこに大島のようなパスによって試合を作れる選手を置いておけば戦術の幅が広がり、攻め方のバリエーションは増えて少ないリスクでも大きい効果を得られるようになりますね。
さらに大島は上記のような配分するゲームメイクパスだけでなく、縦にダイレクトに入れるパスも技術が高く、見ているポイントも素晴らしいです。
ポゼッション寄りの川崎フロンターレの戦術とトランジション寄りの日本代表の戦術を比べてみれば日本代表の方がより縦に入れるパスの本数を増やさなければならないですが、大島の技術と視野があればすぐに対応できるでしょう。
ドリブルも得意で前後の動きをよく工夫している
そして大島僚太はパスだけでなくボールタッチテクニックにも優れており相手のマークを簡単に剥がして前を向くプレースタイルも特徴的です。
元々大島はキープ力の高かった選手でしたが、最近はますますテクニックに磨きがかかっておりボールを受ける前の視線や動き、体の向きでフェイントを掛けてからからのファーストタッチが絶妙に上手くセンターハーフでも身長の低さを感じさせない剥がし能力を見せています。
大島僚太は試合前にひたすらボールを受ける練習をしているシーンがよく見られますが、本当ボールタッチと受け方、自分起点でのボールの出し方、選択肢の作り方をよく工夫していると思います。
下のJリーグ公式動画にあるように突然ボールが来ても威力とコースを両立させたアイデアあふれるミドルシュートも打てます。
守備力も見違える成長を見せる
そして昔の大島僚太は守備に若干難のある選手でしたが、最近は中村憲剛が「凄まじい」と驚くほどの成長を見せています。
運動量も多く体も張るし、上記のマークを剥がす動きとも共通しますが何よりプレス前後の状況をよく考えて守備に入れています。ポジショニングも素晴らしいです。2017年に優勝するほど好調をキープできた川崎フロンターレにあって大島の守備での成長、貢献は外せない要素だと思います。
元々のテクニックとパスセンスに加えて守備力も成長してきたとなればセンターハーフとしての純度はかなり濃くなってきていると見ていいでしょう。
何度も言うようにハリルジャパンではこういったゲームメイクと守備両方をセンスよくこなせる選手が比較的少ないので大島僚太がワールドカップ本番でメンバー入りを果たしても何も不思議ではありません。
最近のベルギー遠征では森岡亮太や小林祐希が招集されたようにハリルも一応テクのあるプレーメイカーが何人かいないとまずいと考えているようですしね。
森岡のプレースタイルはこちらも参考に→日本代表・森岡亮太のプレースタイルは?ベルギーで大爆発中のファンタジスタ
小林祐希のプレースタイルはこちらも参考に→日本代表・小林祐希のプレースタイルは?オランダでは完全にスタメンを確保
日本代表でのデビューは苦い思い出となってしまいましたが、今の大島僚太はあの頃より格段に成長しているので期待したいですね。
・視野が広くパスを散らしてゲームを作れる
・マークを剥がすファーストタッチやドリブルもセンスあり
・身長の低さを感じない守備力も成長の一途