現代サッカーでは相手の出方や選手交代によって流動的にフォーメーションを変えていく事が求められますよね。
したがって一つのポジションしかこなせない選手より複数のポジションをこなせる選手はどこのチームでも重宝される存在です。
プレミアリーグのリバプールFCに所属する元イングランド代表のジェームズ・ミルナーもそんなポリバレントな選手の一人です。
今回はそのユーティリティ性とタフなインテンシティでリバプールに欠かせない存在となっているミルナーのプロフィールやプレースタイルを紹介します。
ジェームズ・ミルナーのプロフィール
名前ージェームズ・フィリップ・ミルナー(James Philip Milner)
国籍ーイングランド
出身地ーリーズ
生年月日ー1986年1月4日
身長ー175cm
体重ー70kg
ポジションーDF、MF、FW
利き足ー右足
ジェイムズ・ミルナーはイングランド北部の大都市リーズ出身のサッカー選手で、サッカーキャリアのスタートもイングランドの古豪リーズ・ユナイテッドの下部組織からスタートします。
若干16歳という若さでトップチームデビューを果たすと12月のサンダーランド戦で当時ウェイン・ルーニーが持っていた最年少ゴール記録を更新するゴールを決めるなど将来を嘱望されます。
その後はスウィンドン・タウンへのレンタル移籍を経て2部に降格してしまったリーズからニューカッスル・ユナイテッドに移籍、2008-2009シーズンにはアストン・ヴィラに移籍してそれぞれ主力としてプレーします。
2010年にはオーナーが変わってビッグクラブ化を目論むマンチェスター・シティに移籍、チーム初のリーグ優勝に貢献するなど活躍を見せました。
2015-2016シーズンからはリヴァプールFCに移籍して副キャプテンを務めるなどチームの主軸を任される存在となっています。背番号は「7」番ですね。
イングランド代表ではU-21の最多出場記録を持ちA代表でも活躍していましたが、クラブに専念するため30歳を迎えた2016年に代表からの引退を表明しています。
・当時のプレミア最年少ゴール記録を更新
・シティでは優勝に貢献
・リヴァプールでは副キャプテンとして牽引
ジェームズ・ミルナーのプレースタイルは?
イングランドらしいセンターハーフだが・・・
ミルナーは冒頭で紹介したように非常にユーティリティ性の高いポリバレントな選手で様々なポジションをこなすことができます。
基本的にはセンターハーフの選手ですが、マンチェスター・シティ時代にはトップ下やセンターフォワードもやっていましたしサイドハーフやウイングもできます。2016-2017シーズンはチーム事情もあり左サイドバックでスタメンとしてプレーしていましたね。
ミルナーのプレースタイルで特徴的なのは「イングランド系選手らしいパワフルな運動量」と「経験から来るプレーチョイスの上手さ」、「タフなインテンシティ」が挙げられます。
センターハーフに入ったときに発揮されるミルナーのプレースタイルはまさに「ボックストゥボックス」で自陣のペナルティエリアから敵陣のペナルティエリアまで90分間ピッチ上を走り回るプレースタイルです。
非常にイングランド人センターハーフらしいダイナミズムを持っている選手と言えるでしょう。
リバプールにはワイナルドゥムやジャンなど運動量が豊富な選手が多いですね。そういう意味ではユルゲン・クロップの好きそうなチームに着々となっているんじゃないかと思います。
ワイナルドゥムのプレースタイルはこちらも参考に→オランダ代表ワイナルドゥムのプレースタイルは?リヴァプール攻守の要?
エムレ・ジャンのプレースタイルはこちら→リバプールFCエムレ・ジャンのプレースタイルは?ジェラードの系譜か?
スキルに関してですが、ミルナーは派手なボールスキルを見せつけるようなプレーは一切行わず、基本的に来たボールを止めて簡単にはたくというシンプルプレーに徹していますが、一つ一つの動作が非常に正確で基礎技術が高いですね。
PKが上手いのもミルナーの特徴で、2017年5月に外すまでおよそ10年間ペナルティキックを一度も失敗せずに決めてきました。プレミアリーグでも屈指のPKキッカーだと言えるでしょう。
また運動量だけでなくサッカー脳も発達している選手で、空いたスペースを事前に察知するのも速く、周囲の選手がプレーしやすいようなポジショニングを取ってくれるタイプでもありますね。味方が動きやすく、相手にとっては嫌らしい位置に気の利いたパスを通すこともできます。
意外?とプレミア屈指のつなぎ役
実際プレミアリーグ公式Webページのスタッツ欄を見てみると左サイドバックで主に起用された2016-2017シーズン、ミルナーは合計で2168本ものパスを繋いでいます。タッチ数は3323回です。
この数字はパス数でリーグ全体5位、タッチ数では1位という数字です。他チームの司令塔にも劣らない数のパスを繋ぎ、ボールに触っていることになります。いかにミルナーの気の利いたポジショングとパスによるプレーメイキングがリバプールにとって重要かという証明になりますね。
またもちろんイングランド系センターハーフ的なプレーインテンシティの高さも持ち合わせており守備の際にガツンと体を相手選手にぶつけてタフな守備を展開することもできます。
この守備の強さもミルナーが左サイドバックで起用された理由の一つになっていると言えますね。センターハーフに入った時もアンカー的ポジションで攻撃の芽を摘み取ってくれています。
さらにミルナーは精神面でも非常にタフ。経験も豊富でチームが後ろを向いてしまうような雰囲気の時でも闘志を全開にしてチームを鼓舞できます。トレーニングに対しても勤勉なので若手の手本となるでしょう。
リバプールでは現在ジョーダン・ヘンダーソンがキャプテンを務めていますが、最近プレーが少し不安定なのでミルナーがチームを引き締める機会も増えてくるでしょうね。
ヘンダーソンのプレースタイルはこちらも参考に→イングランド代表ヘンダーソンのプレースタイルは?リヴァプールのキャプテン
代表でのミルナーをもう見れないのは少し残念ではありますが、まだまだ数年はプレミアリーグでもその才能を楽しめるでしょう。
・ピッチ上ほとんどのポジションをこなせる
・気の利いたポジショニングが地味に効く
・インテンシティも高く闘志もある