打たせて取る投球の特徴とメリットは?奪三振タイプとの違いも

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野球における投手のスタイルに関して使われる表現「打たせて取るタイプ」と「三振が取れるタイプ」。

これら二つに大別される投手のピッチングスタイルはどのように違うのでしょうか?

パッと見ると三振を取れる投手が理想に見えますが・・・そもそも打たせて取るとはどのようなスタイルなのでしょうか?打たせて大丈夫なのか?

そこには役割の違いと投球の技術、球種による影響があります。

今回は野球における「打たせて取る」とはどういうことかや、投手に関するタイプとスタイルの違いを見ていきたいと思います。

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打たせて取るとはどういうこと?どんな投手?

「打たせて取る」スタイルとは?

野球で「打たせて取る」というスタイルは「相手にわざとゴロを打たせてアウトに取る」ような投球スタイルのことです。「軟投」とも呼ばれますね。メジャーリーグでは「グラウンドボールピッチャー」と言われているタイプです。

そのスタイルに主に影響しているのはその投手が投げられる球種。

ゴロを打たせて取るためには後述する三振のように「相手のバットの軌道を外す」ボールではなく「相手のバットの芯を外す」ボールが必要になりますね。

つまり球威のあるフォーシームや手元で微妙に動くツーシーム、カットボールといったストレート系の球、右打者の内側に食い込んで(右投手の場合)詰まらせやすいシュートやシンカーなどを得意球種としている選手にはこの「打たせて取る」スタイルが適していると言えるでしょう。

ツーシームという球種に関してはこちらも参考に→日本人打者が苦戦するアメリカのツーシーム。ボールの違いが大きい?

打たせて取るメリットは?

三振ではなくわざとゴロを打たせるメリットはあるの?と感じてしまいますがメリットはあります。

特にメジャーリーグなどでこのスタイルが有効とされている理由は「球数が抑えられる」ということ。

三振を取るためなら最低でも「3球」は投げる必要があります。

しかしゴロに打ち取るならば最低「1球」だけでアウトが取れる可能性がありますよね。上記の変化球をストライクゾーンギリギリに投げ込めば必要最小限の労力で打者を打ち取れるため、「肩は消耗品」という考えが強く球数制限に特にうるさいメジャー先発投手ではこのスタイルが主流です。

代表的な投手としてはメジャーで「100球未満で完封勝利」をした投手に与えられる記録名にもなっている殿堂入り投手グレッグ・マダックスやメジャーでノーヒット・ノーランを達成した岩隈久志。

NPBでは広島カープのクリス・ジョンソンなどが挙げられるでしょう。

打たせて取るデメリット

デメリットとしては例え弱いゴロだったとしても味方エラーの可能性がゼロではないこと。また足の速い選手であれば内野ゴロでも安打にしてしまう選手が多いということですね。内野に転がれば何が起こるか分からないこともあるので運も多少絡みます。

POINT

・ツーシームやシュートなど手元で変化する球でわざとゴロを打たせる

・球数を抑える事でスタミナ消費も抑える

・エラーなど運要素が絡むことも

三振の取れる投手とは?

三振を取れる球種

反対に三振を取れる投手とはどのような投手なのでしょうか。

三振を取れる投手に必要なのは「相手バットスイングの軌道ごと外せる球」を持つ投手です。

スピン数が多くて沈まない「ノビ」のあるストレートや打者手前でストンと落ちるフォークやスプリット、大きく曲がるタイプのスライダーなどが三振を取りやすい球と言えるでしょう。相手の「タイミング」を大きく外すスローカーブなども三振を取りやすいですね。

三振を取れるストレートに関してはこちらも参考に→野球におけるストレートのノビとキレとは?大谷のストレートはノビないが・・・

三振を取りに行くメリット

三振を取る事のメリットは、言うまでもないことですが三振を取れさえすれば打者が出塁する可能性がないことです。特に絶対に失点できない、ランナーすら絶対に出したくない、という状況で登板することが多い中継ぎや抑えにはこの「三振を取れる能力」が必要になってきます。

また三振が取れるという事は球のキレがいいという事ですので投手自身そこから波に乗っていけるというメリットもあります。

じゃあ全ての打者を三振に取れる投手が理想なのか?と言われると先発の場合、単純にそうはなりません。

三振を取りに行くデメリット

三振を取るタイプの先発投手でデメリットになるのは上記「打たせて取るタイプ」の真逆で「球数が多く」なってしまうことです。

打たせて取れば1球で終わるかもしれない所を三振取るには最低でも3球投げるわけですから当然ですよね。NPBでも最近は先発投手の球数には敏感になっていますから徐々に先発で三振を取りまくるスタイルの投手は減ってきています。

現在では楽天の則本昂大選手くらいでしょうか?ただその則本選手も奪三振スタイルからの脱却を目指しているようですね。

奪三振王則本選手の投球スタイルはこちらも参考に→パリーグ奪三振王!楽天・則本昂大の凄さは?奪三振が多い秘訣とは

POINT

・ノビるストレートやフォークは空振り取りやすい

・ランナー出せない中継ぎ、抑えには必須の能力

・球数増えるのがデメリット

どちらのスタイルがいいのか?

「打たせて取る」スタイルと「三振を取りに行く」スタイル、どちらの方がいいかというのは状況によって変わると思います。

上記のように先発なら球数を押さえる「打たせて取る」投球が必要になってきますし、中継ぎや抑えなら「三振を取る」投球が必要です。

しかし先発でもピンチや要所では空振りをとることが求められますし、中継ぎでもロングリリーフなら球数を抑えることも必要になってきます。

また投手だけでなく捕手のリードスタイルによっても変わってくるポイントなのでどちらが良いとは一概には言えないでしょう。

ただ今後の先発投手の理想形としては「基本は打たせて取り、球数を押さえつつ要所では三振を取る」というダルビッシュ有選手のようなスタイルが増えていくと思います。すでに状況はそうなりつつありますけどね。

中継ぎ、抑えは引き続き三振を取れる球を持っている選手が有利でしょう。

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